突然ですが皆さん、キノコ類には「菌床(きんしょう)」と「原木(げんぼく)」の2種類の栽培方法があることをご存知でしょうか?
現在店で売られている物の多くは菌床によって栽培されています。菌床栽培は、おがくずなどを固めた菌床を用い、温度や湿度が管理された室内で栽培されています。時期も関係なく安定して収穫できますが、味は原木栽培の物には劣ると言われています。
そして、そんな菌床に勝る原木キノコは、一般家庭でも十分栽培することが可能なのです。
今回は、原木を用いたキノコ類(シイタケ、ヒラタケ、クリタケ)の栽培方法について、写真を用いて紹介したいと思います。

むかし私のジジババが原木シイタケを出荷していました。今では親父以下の者達で受け継ぎ、自分たちが食べる分を栽培しています。
用意するもの
キノコの菌(駒菌)
ネットでは様々な種類の物が売られています。シイタケ一つを見ても色々あるので、自分が住んでいる地域、食味の好み等で決めてみてください.

私のおすすめは春秋に取れるタイプのシイタケです。年に2回の収穫期がありお得です。
原木
落葉広葉樹なら原木に出来るようですが、その中でも適しているのはクヌギやナラの木になります。 冬季は木が活動を休止しており水分を吸い上げていない状態なので、その時期に切り倒して春先まで放置しておきましょう。
桜が咲く時期になったら放置しておいた木を玉切りしましょう。注意事項として、玉切りは駒打ちする直前に行うということです。

余計な菌が入る恐れがあるので、駒打ちの直前に玉切りしたほうが良いみたいですね!
原木が太すぎると菌が回るのに時間がかかりますが、我が家では勿体ないので太い幹の部分(写真手前にあるくらいの太さの物)も使用します。
工具類
●電動ドリル(原木に駒菌を入れる穴を開けるのに必須)
●チェーンソー(原木を切り倒す&玉切りするのに必須)
●トンカチ(原木に駒菌を打ち込むのに必須)
●工具類を用意出来ない場合
トンカチはそれほど高価なものでは無いため購入しても良いかもしれませんが、電動ドリルやチェーンソーを購入するのに抵抗がある方は、ネット等ですでに駒打ちが出来る状態の原木が売られているので、それらを購入してしまうのも手です。

一番簡単かつ確実かもしれませんね。
駒打ちの方法
1.電動ドリルで原木に穴を開けましょう
駒菌を打ち込むための穴を開けましょう。今回打ち込む駒菌の適切なサイズは、直径9.5㎜、深さ20㎜でした。販売元の違い等により多少差異があると思いますので、購入の前に確認しておきましょう。
2.駒菌を打ち込む
駒菌の先を穴に入れトンカチで打ち付けます。この際、多少穴が小さくても叩けば入ってしまいますが、穴が大きいと、原木を移動させる時に駒菌が落ちてしまうことがあるので注意です。
3.原木を設置する
駒打ちが完了した原木は、森の中の適度な湿度や木漏れ日が当たる場所に設置します。なお、一般家庭の場合は、大きな木があればその下に立てかけたり、軒下に遮光ネットで屋根を作ったりし、直射日光が当たらず雨が当たる場所を作ってみましょう。
こちらは3年ほど前に設置した原木です。この地域では、桜が咲き始める時期にシイタケが出始めます。もう少し立つと春の最盛期に入り、一本の木からたくさんのキノコが取れるようになります。
終わりに
いかがでしたか?原木栽培では、最初こそ駒菌を撃ち込む作業がありますが、基本的に1年~2年ほど放置しているだけで沢山のキノコが採れるようになります。
スーパーで売っている菌床のキノコと違い、原木のキノコは味や香りがとても強いので本当においしいですよ。皆さんもぜひチャレンジしてみてください!